大聖堂の影響 ―― その6


■ 舞台と橋

☆オルガン・合唱隊席とギャラリー

教会の典礼では、パイプオルガンが使われますが、このパイプオルガンは
一般的に、大聖堂の2階部分に備え付けられていて、
この部分に合唱隊の席が併設されている場合もあります、
また、2階部分が、ギャラリーと呼ばれる通路になっている聖堂もあります。

エヴォラ大聖堂の
天正少年使節が弾いたオルガン
2階部分にギャラリーの廻る
サン・ロレンツォ・フォーリ・レ・ムーラ聖堂

これらの、オルガンや合唱隊の席、に当てはまる日本建築の施設は、 雅楽の行われる楽舞台や、能狂言の行われる能舞台などが、 また、ギャラリーに相当するのは、高欄のついた縁側が、考えられます。

これらの事から、安土城の2階の舞台と3階の張出し縁は、大聖堂に作られる、オルガン・合唱隊の席と、吹き抜け上空のギャラリーを、日本建築の様式で作ろうとした為にできたものと思われます。

しかし、
キリスト教の大聖堂には、パイプオルガンや合唱隊の席を、吹きぬけ中央付近まで、大きく張出した例は見られず、橋をかける例に至っては、全くありません。 もう一つ、キリスト教の大聖堂に存在しない物に、吹きぬけ中央の二本の柱があるのですが、この、大聖堂には無く、天守指図のみに見られる構造である、吹き抜け中央の二本の柱・大きく張出した舞台・中央にかかる橋、これらの三つを合わせて考えると、前代未聞の大建築を、作るように命じられた、室町末期の大工の、困惑した様子と、大工が思いついた、室町時代の技法を駆使した天主構造の解決法が想像でき、 天守指図が、江戸時代中期の作では無い、と考えられる根拠になるのですが、それは、また、べつのはなし・・・。

って、構造編にあたる、「日本建築史」の中で、書く予定です。

最終更新日時
2003/03/04 (火)
21:19:35

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■大聖堂

八角の段
最上階の鐘
宝塔・蛇石

宝塔前の部屋
金灯篭・盆山間
舞台と橋

番外編
不等辺八角形



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